歯周病は、虫歯と同じく徹底的なケアで予防しなければいけないものです。
しかし、実際は虫歯ほど予防の意識がない方が多く、発症のリスクは高めになっています。
またそんな歯周病予防の対策として実践したいのが、日常的なガムの摂取です。
今回は、歯周病予防の一環として摂取すべきガムの特徴について解説します。
歯周病予防の一環として摂取したいガムの特徴4選
歯周病予防を意識するのであれば、以下のようなガムを摂取するのがおすすめです。
・殺菌、抗菌成分配合の薬用ガム
・抗炎症、歯茎ケア成分配合ガム
・口臭ケア、清涼感持続ガム
・完全シュガーレス、キシリトール100%ガム
各項目について詳しく説明します。
殺菌、抗菌成分配合の薬用ガム
こちらのガムは、口内の浮遊菌や歯周病の原因菌に直接アプローチし、細菌の増殖を化学的に抑制します。
歯周病対策において、物理的な除去と同時に行いたいのが化学的なアプローチです。
殺菌・抗菌成分が配合されたガムは、噛むことによって成分が唾液とともに口内全体、そして歯周ポケットの入り口付近までじわじわと行き渡ります。
これにより、プラークの内部だけでなく、唾液中に潜む浮遊性の歯周病菌や、トラブルを引き起こすさまざまな雑菌の繁殖を抑えることができます。
特に歯茎が腫れやすい方や、朝起きたときに口の中がネバつく方は、口内の細菌数が急増しているサインです。
抗菌作用のあるガムを定期的に取り入れることで、口内の総細菌数を低くコントロールし、歯周組織が炎症を起こしにくいクリーンな環境を維持できます。
また噛み終わった後も成分の刺激が口内に残りやすいため、長時間の持続的な効果が期待できる点も、このタイプのガムが持つ大きなメリットです。
抗炎症、歯茎ケア成分配合ガム
こちらのガムは、歯茎の腫れや出血といった初期の炎症を鎮め、歯周組織の修復を優しくサポートします。
歯周病の初期段階である歯肉炎では、細菌の毒素によって歯茎が赤く腫れたり、ブラッシング時に出血したりする症状が現れます。
この段階で炎症を放置すると、症状は歯を支える骨を溶かす歯周炎へと進行してしまいます。
抗炎症成分が配合されたガムは、噛むことで成分が患部に直接アプローチし、歯茎の毛細血管のうっ血や腫れを和らげる働きをします。
また植物由来のエキスなどが配合されている場合、歯茎の収れん作用や、傷ついた粘膜の修復を助ける効果も期待できます。
歯周病菌と戦うためには、身体側の防御組織である歯茎自体が健康で、強い抵抗力を持っている必要があります。
炎症を早期に鎮め、歯茎の血行を促進して組織の代謝を高めることで、細菌の侵入を許さない引き締まった健康的なピンク色の歯茎を取り戻す手助けをします。
口臭ケア、清涼感持続ガム
こちらのガムは歯周病特有の不快なガスをマスキングし、揮発性硫黄化合物の発生を元からブロックします。
歯周病が進行すると、細菌が口内のタンパク質を分解する過程でメチルメルカプタンなどの非常に強い悪臭を放つ揮発性硫黄化合物を産生します。
これが、歯周病特有の強烈な口臭の原因です。
口臭ケア機能に優れたガムは、強力なミントやハーブの香りで嫌な臭いを一時的に隠すだけでなく、臭いの原因物質と結合して無臭化する成分が含まれていることが多いです。
また爽快感の強いガムを噛むことで、神経が刺激されて唾液の分泌がさらに活発になり、臭いの元となる細菌や代謝物を洗い流す効果が倍増します。
さらにエチケットとしての口臭対策はもちろんのこと、自分自身のリフレッシュにもつながり、清涼感が持続することで口内がどのような状態かを意識するきっかけにもなります。
清潔な息を保つことは、健康な口内環境が維持されている目安です。
完全シュガーレス、キシリトール100%ガム
こちらのガムは、歯周病菌や虫歯菌の栄養源となる糖類を一切排除し、細菌を代謝ミスで弱体化させます。
歯周病対策のためにガムを選ぶ際、もっとも絶対に外せない条件が砂糖などの発酵性糖質が含まれていないことです。
糖分が含まれているガムを長時間噛むことは、口内で歯周病菌にエサを与え続けているのと同じであり、逆効果になります。
一方完全シュガーレスであり、かつ甘味料としてキシリトールが100%近く使用されているガムは、細菌の繁殖を一切許しません。
それどころか、細菌はキシリトールを砂糖と勘違いして体内に取り込みますが、それをエネルギーに変換できずに体外へ排出するという無駄なサイクルを繰り返します。
これにより細菌はエネルギーを消耗し、活動や増殖の能力が著しく低下します。
また、キシリトールはプラークをサラサラとした粘り気のない状態に変える性質があるため、その後のブラッシングでプラークを落としやすくするメリットもあります。
まとめ
歯周病予防の一環としてガムを採り入れる場合は、パッケージに上記のような効果が記載されているものを選びましょう。
特に記載されていない場合は、成分表で砂糖が含まれていないことなどを確認すると良いです。
また歯科クリニックでは、市販されているものよりも歯周病予防効果が高いガムを扱っていることもあるため、販売されている場合は購入を検討しましょう。
この記事を監修した人
ふたば歯科クリニック 川崎本院
理事長 大木 烈
昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。