歯科クリニックの口腔外科では、口内のさまざまな症状について、外科的な施術によって改善を目指すものです。
またここでいう口腔外科の領域には、親知らずや歯の一部を切り取る歯根端切除術などのほか、小帯の治療も含まれています。
今回は、口内の小帯に関することをあれこれ解説します。
舌小帯とは?
舌小帯とは、舌の裏側と下顎の歯茎をつないでいる膜状のヒダのことをいいます。
舌小帯の役割は?
舌小帯には、舌の位置や動きを適切にコントロールする役割があります。
舌小帯が短いとどのような問題がある?
舌小帯が通常より短い症状を舌小帯短縮症といいます。
こちらはサ行やタ行、ラ行といった特定の音が出しにくくなることにつながります。
また食べ物をうまく飲み込めない嚥下障害や歯並びへの影響、赤ちゃんの場合は授乳障害などが起こる原因にもなります。
舌小帯短縮症はどのように診断される?
舌小帯短縮症は、歯科クリニックの口腔外科において、視診や舌を動かしてもらう検査によって、小帯の長さや柔軟性を評価します。
舌小帯が短い場合、必ず治療が必要?
通常よりも舌小帯が短い場合であっても、問題がなければ経過観察となることもあります。
一方、機能的な障害がある場合は手術が推奨されます。
舌小帯の治療法にはどのようなものがある?
舌小帯の治療法には、主に小帯切除術というものがあります。
小帯切除術は、異常な小帯に対抗するための治療であり、文字通り小帯の切除を行います。
小帯切除術は痛い?
小帯切除術は小帯の切除を行うものですが、通常局所麻酔をして行われるため、手術中の痛みはほとんどありません。
小帯切除術の費用はどれくらい?
小帯切除術にかかる費用は、メス・レーザーといった治療方法や保険適用の有無によって異なります。
詳しい金額については、事前に歯科クリニックにご確認ください。
何歳くらいで小帯の手術をするのが良い?
舌小帯の治療は、永久歯が生える前や、機能的な問題が顕著になった時点など、年齢や症状によって適切な時期が検討されます。
手術後の回復にはどれくらいかかる?
一般的に小帯切除術における術後の回復は早く、大きな問題は少ないですが、術後のケアが重要です。
術後のケアはどうすれば良い?
小帯切除術を行った後のケアについては、舌の動かし方の癖を直すために、発音練習や口腔筋機能療法(MFT)が必要になることがあります。
手術をせずに発音障害を改善する方法はある?
舌小帯の異常が軽度であれば、舌のトレーニングや発音指導だけでもある程度改善する場合があります。
欧米と日本では舌小帯の治療方針が違う?
欧米では、発音への影響を重視し、日本よりも早期に舌小帯の手術を行う傾向があると言われています。
上唇小帯とは?
人の口内には、舌小帯だけでなく上唇小帯というものもあります。
上唇小帯は、上唇の内側と上顎の歯茎をつないでいるヒダです。
子どもの上唇小帯が太いのは異常?
乳幼児期は太いことが多いですが、成長とともに細く、上の方へ移動していくのが一般的です。
上唇小帯が太いと、将来的にどのような影響が出る?
上唇小帯が太いと、前歯の真ん中に隙間ができやすくなることがあります。
こちらはすきっ歯、正中離開と呼ばれる不正咬合の一種です。
また、歯の間隔が広すぎることにより、ブラッシングがしづらくなったりすることがあります。
上唇小帯の治療はいつまでに検討すべき?
上唇小帯に異常がある場合、永久歯(特に前歯)が生え揃う時期になっても太さが残っているときに、歯並びへの影響を考慮して切除が検討されます。
上唇小帯を切除するとすきっ歯が治る?
上唇小帯を切除することによって、前歯と前歯の隙間が自然に閉じることもあります。
しかし、多くの場合は矯正治療を受けなければ、簡単に治ることはありません。
上唇小帯が切れてしまった場合はどうする?
上唇小帯が切れたとき、出血が多い場合は清潔なガーゼで圧迫止血し、早急に歯科クリニックや口腔外科を受診してください。
また、症状が軽度であれば、切れてしまっても自然治癒することがあります。
下唇小帯とは?
下唇小帯は、下唇の内側と下顎の歯茎をつなぐヒダで、上唇小帯と同様に、太すぎたり短すぎたりすると歯並びや清掃性に影響することがあります。
頬小帯とは?
頬小帯は、頬の内側の粘膜と歯茎をつなぐ筋上のヒダです。
主に上下顎の小臼歯部あたりの歯茎から、斜め後方の頬に向かって伸びています。
形状や付着位置にはかなり個人差があります。
頬小帯は入れ歯作製時の目安になる?
頬小帯は入れ歯を作成する際、入れ歯が頬小帯に当たって痛みが出ないように、設計時に考慮しなければいけない重要な解剖学的指標です。
まとめ
小帯の問題は、他の新たな問題を引き起こすことがあります。
そのため、場合によっては少しでも早く切除した方が良いということもあります。
また口腔外科は、口内から顎にかけて起きるあらゆる以上やトラブルのための診療科です。
歯科クリニックでは、痛みなどについても最大限に配慮してくれるため、気になる症状がある方はぜひ相談してください。
この記事を監修した人
ふたば歯科クリニック 川崎本院
理事長 大木 烈
昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。