カフェはとても落ち着いた時間を過ごすことができる場ですが、カフェオレなどの甘い飲み物、ケーキなどの甘い食べ物を口にする機会が多いです。
さらに甘いもの以外にも、虫歯になりやすいメニューが多く提供されています。
今回は、虫歯のリスクが高いカフェメニューをいくつか紹介したいと思います。
虫歯になりやすいカフェメニュー4選
甘いもの以外で言うと、以下のカフェメニューは比較的虫歯のリスクが高いと言えます。
・精製された白いパン
・粘度の高いソースを使った料理
・市販のルーやチャツネを多用したカレーライス
・市販のドレッシングがかかったサラダ
各項目について詳しく説明します。
精製された白いパン
カフェの食事メニューでポピュラーな白いパンは、虫歯予防の観点から非常に高い注意が必要です。
砂糖が入っていないから安全と思われがちですが、精製された小麦粉は加工された炭水化物であり、口に含んだ瞬間から唾液中の酵素によって糖へと分解され始めます。
この分解された糖こそが、虫歯菌の直接的な栄養源になります。
特にカフェで提供されるパンは、食感を良くするためにバターや油脂が多く含まれていたり、非常にソフトに焼き上げられていたりします。
このようなパンは噛むほどに粘り気が出て、歯の噛み合わせにある深い溝や、歯と歯の間にべったりと貼り付きます。
歯科用語で“停滞性”が高いと言いますが、この歯に残る性質が虫歯リスクを劇的に高めます。
甘いお菓子であれば「食べた後にケアをしよう」という意識が働きますが、食事系のパンは油断しやすく、長時間放置されがちです。
対策としては、全粒粉やライ麦を使用したパンを選ぶことが挙げられます。
これらは食物繊維が豊富で、白いパンに比べて粘り気が少なく、しっかり噛む必要があるため、自浄作用のある唾液の分泌を促してくれます。
粘度の高いソースを使った料理
ホワイトソースやデミグラスソースを多用したドリア、あるいはとろみのあるパスタも、虫歯リスクの高いメニューです。
これらのソースにはとろみをつけるために大量の小麦粉が使われていて、さらに旨味を引き出すための隠し糖分としてブドウ糖や果糖、砂糖が添加されていることが一般的です。
このとろみが厄介なのは、ソースが歯の表面に膜を張るように付着し、唾液が持つ口内を中性に戻す力を阻害してしまう点にあります。
ソースが付着した部分の酸性度は急激に下がり、エナメル質が溶け始める脱灰が長時間続くことになります。
特にグラタンやドリアのようにチーズを乗せて焼いた料理は、脂分と糖質が混ざり合い、歯プラークと似た性質の強力な汚れとなって歯に停滞します。
パスタの場合も、麺自体が歯に挟まりやすい上に、ソースがその隙間に充填されるため、非常に虫歯になりやすい環境を作ります。
カフェでこれらを食べる際は、できるだけ具だくさんのものを選び、噛む回数を増やすことが重要です。
市販のルーやチャツネを多用したカレーライス
カフェ飯の定番であるカレーライスは、実は隠れ糖質と酸の宝庫です。
本格的なスパイスカレーであれば、虫歯リスクは低いです。
しかし多くのカフェで提供される欧風カレーや一般的なカレールウを使用したものは、コクや深みを出すために多量の砂糖、果物を煮詰めたチャツネなどが含まれています。
これらは「甘い」という自覚がないままに、虫歯菌に大量のエサを供給していることになります。
さらにカレーにはトマトや酢などの酸性成分も含まれていて、これが歯のエナメル質を一時的に脱灰させ、そこへルウに含まれる糖質が入り込むというリスク構造を持っています。
また、カレー特有の強い色素は、歯の表面にステインを形成します。
虫歯とは無関係に思えますが、実はザラザラとしたステインがついた場所には、細菌の塊であるプラークが付着しやすくなります。
つまりカレーを頻繁に食べ、かつケアが不十分だと、着色汚れが足場となって虫歯菌が定着し、歯を溶かしていくという悪循環に陥るということです。
市販のドレッシングがかかったサラダ
健康に気を使う人が選ぶサラダですが、実はドレッシングの選び方一つで虫歯リスクが大きく変わります。
カフェで一般的に使用される市販の和風ドレッシング、フレンチドレッシング、シーザーサラダドレッシングなどには、保存性や味の調整のために砂糖が多く含まれています。
野菜自体は歯に良いのですが、この甘いドレッシングが野菜の表面を覆うことで、結果的に砂糖水を絡めた野菜を食べているのと近い状態になります。
さらに深刻なのは、ドレッシングの主成分であるお酢やレモン果汁などの酸です。
酸は歯の表面を一時的にやわらかくします。
そのやわらかくなった状態で、ドレッシングに含まれる糖分が歯に触れると、通常よりも虫歯が進行しやすい酸蝕と虫歯の複合的なリスクが生じます。
特にサラダをゆっくりと時間をかけて前菜として食べるスタイルは、食事の開始から終了まで、口の中を長時間酸性の状態にさらすことになります。
理想的なのは、ドレッシングを自分で調節できるよう別添えでオーダーすることです。
まとめ
カフェを訪れる機会が多いという方は、甘いものだけでなく上記のような料理の摂取にも気を遣いましょう。
またカフェは長時間滞在することも多く、つい食事の時間が長くなりがちなため、虫歯予防を意識する方は頻繁に通うべきではありません。
楽しく幸せな時間には、必ずこのようなデメリットが存在することを忘れてはいけません。
この記事を監修した人
ふたば歯科クリニック 川崎本院
理事長 大木 烈
昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。